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ぼやき大爆発
世捨て旅行者の雑記帳
尊師の履歴書26
(腹痛)

翌朝であった。

目覚めた気がすると「ドンドンドン・・・・・・」と自分の部屋のドアをノックする音が聞こえるではないか・・・・・何かと思い、ドアのノブを回そうと思い、ベッドから半身を起こし、背の後方にあるドアのノブを回そうと・・・・・・反身を起こしただけの体を、目いっぱい後ろ向きに捻って、手を思いっきり伸ばしてノブを掴み・・・・・・それを捻り、ドアを開けた。

と、その瞬間に、お腹のあたりに激痛が走り、痛くて堪らない・・・・・・後ろ向きに捻った上体を、そのままベッドに転がってゆき、その激痛に耐えようと、背を丸くして両手でお腹を抱かえて、必死に痛みを堪えようとする・・・・・・それが、鉄製の安物のシングル・ベッドのスプリングが弛んでいて、マットが「くの字形」に凹んでいるので、上手くいかず、

「これは堪らん。少しでも痛みを和らげよう!」

とベッドから平らな木製の床に転げ落ち、胎児のように背を丸くし、激痛が走っているお腹を両手で抱かへて、ジーッとして七転八倒の痛みの苦しみに堪えるだけ・・・・・・でも、そんなことぐらいで、お腹の痛みが治まるものではなかった・・・・・・「お腹が痛い」というより、お腹全体が腓返(こむらかえ)りを打っているような劇痛・・・・・それどころか、もう、痛いというのを通り越し「これ以上痛みはこの世になく、これ以上に酷くなれば、そのまま気を失ってしまうのでは」 と思うほどの痛みを、背を丸くして絶えているだけで、声も出ないほど。
表現が大げさかもしれないが、この激痛は経験した者しかわからないであろう。 とにかく、お腹全体が腓返りを打っているようなものなのだから。
そのため、死の恐怖の不安を感じる余裕さえもなかったが、実際にそれを気にすることは全くなかった。  ただ、痛いだけなので「誰か、その痛みを止めて欲しい!」 と、ただそれを願うだけ。

この時点では判らなかったが「ストレスで胃に穴が開く」 という胃穿孔という病気になっていたのだ。
どの資料にも「耐えられないほどの激痛!」と記されている。 

「胃痙攣を起すと、劇痛が走る!」 ということを聞いたのを思い出し、

「これは胃痙攣になったのだ」

と思い、部屋に入ってきた宿の若い従業員に、

「医者を早く呼んでくれ!」

 と叫ぶように頼み込むと、従業員は直ぐに理解してくれて部屋を出ていったのであった。

数分もしない内に、インド系の医者が部屋にやって来てくれて、診察を受けると、医者も胃痙攣だと思ったのであろうか。 簡単な診察後に、鎮痛剤の注射を打ってくれ、痛み止めの粉薬を置いて直ぐに帰って行ったのであった。

それが、注射を打ってくれても、痛みは全く治まらない。
それで、医者の置いていった粉薬をコップの水で流し込むや、同時に、お腹に「天井を突き破る!」ほどの劇痛が走ったではないか。
さすがこのあたりまでくると、異常を覚え「これはヤバイ!」 ということで・・・・・・大声で、ホテルの従業員を呼び、救急車を呼んでもらったのであった。

貴重品入れとドルキャッシュだけを持って、ジープ型の救急車に乗り込むと、着いたところは町の公営の診療所であったが、ドクターは「らちがあかない」 ということで、モシにある他の病院に救急車で運ばれたのであった。

白人のドクターに診察を受けた後に、レントゲンを撮ると「胃が悪いので、早速、今夜、開腹での胃の手術をする」 と伝えられたので、それを承諾。

手術は成功し、その後の経過は順調であったので1週間で退院できたのであった。
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